癌・治療のオーダー
最近ではインターネットの普及により、癌の治療について様々な情報を知ることができます。
以前なら癌宣告をされたら、病院の医師に治療方針を委ね従うのが当たり前でした。
しかし今では患者側が多くの情報を集められるため、治療方法も選べる時代になりました。
まだまだ分からない事が多い癌ですので、癌の治療の選択についても単純にこれが正解、不正解とは言い切れません。
しかし、癌のステージ、年齢によっては治療をしない選択をする事も重要だと考えられます。
それでは癌のステージ別に考えていきます。
ステージ0・・・癌が上皮細胞内にとどまっている。
ステージⅠ・・・癌が筋肉の層まで広がっている。
ステージⅡ・・・癌が筋肉の層を超えている。リンパ節に少し転移がある。
ステージⅢ・・・癌が筋肉の層を超えて深く浸潤。リンパ節にも転移している。
ステージⅣ・・・他の臓器に遠隔転移している。いわゆる末期。
この中でステージ0〜Ⅲは、手術を行い病巣を取り除くことを考えた方が良いです。
癌と闘うなという医師も中にはいますが、放置していれば癌は細胞分裂を起こしどんどん大きな腫瘤を作っていきます。
例えば乳癌の場合、放置していると皮膚から腫瘤が飛び出してしまい、悪臭や出血を伴うようになり通常の生活が難しなることがあります。
そうならないためにも、手術ができる可能性のあるステージ3までは、手術をして病巣を取り除くことが必要です。
一方でステージⅣに関しては必ずしも手術すべきとは言いません。
遠隔転移が1箇所でも見つかった場合、癌細胞はその臓器だけに転移しているわけではないからです。
癌細胞の性質上、すでに身体中に転移していることを意味します。
こうなると、元の病巣や他に見つかった癌だけ切除しても予後の改善は期待できないため、手術をしても根治が難しいのが現状です。
そのため、QOL(クオリティ・オブ・ライフ 生活の質 生命の質)の観点とや、どれだけ長生きできるかといった観点で考えると、手術や抗がん剤治療で体に大きな負担をかけないことも一つの選択肢として考える必要があります。
また、年齢によってはステージに関係なく積極的に治療しないでうまく癌と付き合っていく方が長生きできることがあります。
高齢者の癌治療では、腎機能や肝機能が低下している場合も見られ、高齢になればなる程手術自体のリスクが高くなります。
術後の合併症や後遺症の可能性も高くなってきます。 ある程度高齢の場合は、積極的治療を選ぶよりQOLを優先させ、癌とどのように共存してくかを考える方が結局長く生きられる事があるのです。
このように、治療方針は癌のステージや年齢、本人の選択基準などを含め、信頼できる医師と納得いくまで話し合って決めるようにしましょう。