・はじめに
私が乳癌になってから1年半後の事、友人から勧めらた統合クリニックに通うことになりました。
そこではがん患者にゲルソン療法を推奨しているため、私も他の治療と並行してゲルソン療法を行うことになりました。
厳密にいうと、私が行ったのは星野式ゲルソン療法といって、厳格なゲルソン療法より少し実行されやすくアレンジされた方法でした。
・星野式ゲルソン療法とは
まずゲルソン療法とは、毎日の食生活を適切にコントロールし続けることで、体の細胞の中に存在するナトリウム(Na)とカリウム(K)のバランスを正常に整え、癌を消す酵素を活性化させ、癌を体内の内側から消してしまおうという食事療法です。
具体的には癌患者のがん細胞及び正常細胞の中で、増加したナトリウムと減少したカリウムをそれぞれ正常値に戻すために野菜を摂理、ナトリウムを抑えるために塩を摂取せず、さらに多量のカリウムをにんじんジュースと青菜ジュースから摂取します。
星野式ゲルソン療法とは、自らゲルソン療法で癌を克服した医師である星野勇四郎氏が、食事内容も日本人に合った食材で取り組みやすく紹介したものです。
また、ゲルソン療法の効果を尿で測定する方法を考え出したのが星野式の特徴といえます。
星野氏のがん細胞が全て消えた尿中のカリウムの値を、ナトリウムの値で割った値が11.55。
そこで癌細胞と正常細胞のカリウムとナトリウムのバランスを正常化する目安、あるいは努力目標としてカリウム/ナトリウム>11.55としました。
私の通っていたクリニックでは、この数値を継続して保っている患者さんは、癌が消えたり縮小したりしている方が多数いると聞いていました。
定期的に尿検査をして数値を見ることによって、努力の結果を確認できるので、モチベーションも上がり継続の励みになります。
・実際行ったこと
*ゲルソンを始めると言ったその日から、全ての塩分を断った。
*にんじんジュースを始め、様々な野菜や果物のジュースを、毎日1.2ℓから1.5ℓ飲む。
*砂糖、白米、パン、乳製品、肉、魚、海草類、コーヒー、全ての加工食品、アルコール、海水浴・・・禁止
*カリウムとナトリウムの値を測るための、定期的な尿検査
当然外食で食べれるものはほとんどありません。それでも人付き合いもしたいので、ランチの時は先に家で何かを食べて行き、お店ではお茶だけ。
居酒屋ではアルコール(ここだけ厳守できなかった〜)だけで、お豆腐から薬味をとってもらったものと、ドレッッシングなしの野菜サラダをひたすら食べていました。
マイお酢、マイレモンカット等持ち歩いて味付けして食べていました。
そんな生活を続けて約1ヶ月後、尿検査をしたところ早くも尿中のカリウム/ナトリウムの値が11.55以上になりました。
・尿検査によるカリウム/ナトリウムの値
11/ 15日 カリウム 37.1 / ナトリウム 3 = 12.3
計算の仕方 例)37.1➗3=12.3
12/ 2日 カリウム 29.5 / ナトリウム 3 = 9.8
12/21日 カリウム 48.3 / ナトリウム 3 = 24.15
1/13日 カリウム 27.8 / ナトリウム 4 = 6.95
1/27日 カリウム 59.4 / ナトリウム 11 = 5.4
2/17日 カリウム 33.1 / ナトリウム 22 = 1.5
3/21日 カリウム 18.0 / ナトリウム 3 = 5.6
4/28日 カリウム 15.7 / ナトリウム 5 = 3.14
5/23日 カリウム 83.5 / ナトリウム 3 = 27.8
・数値と体の異変
初めの1ヶ月厳密な食事をしたおかげで、数値が12.3となり、11.55以上を早くもクリア。
その後1度クリアしましたが、その後はなかなかクリアできず11.55の壁に苦しみました。
12月の暮れに、知人宅で忘年会があり、急に普通の食事をしてしまったことがあり、それからしばらく体調を崩したこともありました。
そして1月に行った超音波検査の結果から、がんがある乳房内に別のがんが1つ増。
無塩生活にもすっかり慣れて、色々料理を考えたりもしていましたが、食べられる材料が限られているので、レパートリーもそうは増えません。
がんが増えていることがわかり、モチベーションは下がり、いつの間にか食事をするのが楽しくなくなって、強いストレスを感じていたと思います。
3月の超音波検査ではさらにがんが増。
こんなに努力をしているのになぜ? 良くはならなくても悪化していくのには納得できません。
5月の尿検査の数値では、11.55をはるかに上回る数値が出ているにもかかわらず、乳房内のがんはさらに増。
クリニックでは、ゲルソンと点滴療法をしていたのですが、この結果を知った先生は、
「もううちでできることがないなぁ。西洋医学的には外科手術をした方がいいと思うよ」
とあっさり私に言いました。
その辺りから、私は体がだるくてだるくて、すぐにベットに横になるような生活をするようになっていました。
咳が止まらなかったり、微熱がずっとあるような状態でした。
日課である散歩も途中でできなくなることさえあったのです。
・まとめ
結局病院にさじを投げられてからは、外食をした時に、塩なしの焼き鳥を食べたり、焼肉を食べたりしてみました。
すると、翌朝体が軽いのです。あれ? まさかお肉をたべたから?
次第に普通食に戻し、なんでも食べるようにしていくと、心も体もめちゃめちゃ元気になっていくのを実感しました。
毎日の大量ジュース作り、家族と自分のW献立、味気ない食事から解放され、ストレスがなくなりました。
そして8ヶ月にも及ぶゲルソン療法で、栄養が足りなくなった体は、普通食にすることによって、スポンジが水を吸うかのように栄養を吸収して、みるみるうちに元気になって行ったのです。
そして今もそうです。あれから、体がだるくて寝込むようなことは一切ありません。 おそらく私にはゲルソン療法が合っていなかったのだと思います。
クリニックの看護師さんには、これだけやるとみんな良くなるんだけど・・・癌のたちが悪いんだね。
なんて言われましたが、実際同じ事をして症状が改善している人がいるのもまた事実です。
合うか合わないかは、やってみないことには誰にもわかりませんよね。
極端な食事療法がダメだった私は、ゲルソン療法の目的とは違いますが、ジュースを飲んだり、減塩をしたりして日々を暮らしています。
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